平成28年度 松本市立 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 418 50 135 227 125 159 314 502 723 305
松本市西部地域に唯一設置された総合病院である当院は、西部地域の基幹病院として、質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供する役割を担っています。
 当院は松本市街地から少し離れた高齢者の多い地域に立地しているため、60歳以上の患者さんの占める割合が6割を越えています。全国的には70歳代の患者さんが最も多くなる傾向にありますが、当院では症状が比較的重症になりやすい80歳代の患者さんが最も多くなる傾向にあります。
 また、救急医療や周産期・小児医療も充実しているため、10歳未満及び20~30歳代の患者さんが多いことも当院の特徴であり、赤ちゃんから高齢者まで地域住民の生涯にわたって医療を提供しています。
 平成27年度のデータと比較して、年齢階級の分布に大きな変化はみられません。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 副傷病なし 114 23.94 21.25 2.56 88.86 誤嚥性肺炎
050130xx99000x 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 91 28.23 17.95 2.20 87.00
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 60 17.93 12.43 0 80.35
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 37 8.49 11.06 0 79.49
100380xxxxxxxx 体液量減少症 37 9.65 9.33 0 79.19
 当院は高齢者の患者さんの割合が高いことが特徴です。
 最も多いのは、嚥下機能の低下が原因で起こる「誤嚥性肺炎」です。誤嚥性肺炎の平均在院日数については、全国平均と比較しても大差はなく、適切な治療が提供されているものと判断されます。
 「心不全」や「腎臓または尿路の感染症」についても高齢者の割合が高く、基礎疾患として高血圧や糖尿病、心臓の病気などを持っている方が多いため、若干治療期間が長くなる傾向にあります。
 「体液量減少症」は、いわゆる「脱水症」のことです。この疾患でも高齢者の割合が高く、様々な原因により食事や水分摂取ができなくなり「脱水症」となるケースです。
 「胆管結石、胆管炎」は、治療が遅れ重篤化すると「敗血症」という命を脅かす病態になりかねません。当院では「消化器病センター」を設置し、抗菌薬による治療だけでなく、内視鏡による結石の除去やステント(胆汁の流れを良くするチューブ)の留置など、迅速に治療が行える体制が充実しています。このため、平均在院日数は全国平均と比較して短くなっています。

(注意点)集計条件の問題により掲載されていませんが、当院の内科で最も多い疾患は「大腸ポリープ」になります。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 22 11.09 9.08 4.55 73.64
060020xx99x30x 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(3) 副傷病なし 16 8.75 6.88 0 72.75
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 処置2なし 15 11.20 10.30 0 64.33
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 14 7.43 7.89 0 53.14
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 13 13.92 12.43 0 79.00
 最も多い症例は「腸閉塞」の保存加療になります。この病気は、何らかの原因により腸内容の通過が妨げられることで起こります。治療は保存治療を選択することが多いです。腸管の血行障害を伴う重篤な腸閉塞に対しては、外科的治療を行います。
 2番目に多い症例は「胃癌の化学療法」になります。化学療法とは、抗がん剤を用いてがん細胞の増殖を抑えたり、再発や転移を防ぐことを目的とした治療法です。当院では、化学療法単独の治療や手術療法との併用など、患者さんの状態に合わせた幅広い治療を実施しています。
 3番目は「乳癌の手術療法」になります。平均在院日数は11日と、全国平均並となっています。術後は、患者さんの状態や癌組織の性状に合わせて、化学療法やホルモン療法などを行います。
 4・5番目の「憩室炎」、「尿路感染症」の保存加療は、抗生剤を用いて原因菌による発熱・炎症所見の治療に当たります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 2500g以上 手術なし 150 6.00 6.18 1.33 0
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 48 3.92 10.17 4.17 5.27
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 1500g以上2500g未満 42 13.90 11.55 0 0
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症 副傷病なし 35 5.46 6.02 8.57 1.43
040100xxxxx00x 喘息 処置2なし 副傷病なし 19 6.58 6.42 5.26 2.37
 当院は年間約500件の分娩を取り扱っているため、小児科で最も多い症例が「新生児疾患」となっています。新生児疾患には、新生児黄疸、母子感染、早産児、新生児一過性多呼吸、低出生体重児などが含まれており、小児科の約半数を占めているのが特徴です。小児科では産科とともに、安心・安全な周産期医療の提供に努めています。
 他に多い症例としては「ケトン血性嘔吐症(自家中毒、周期性嘔吐症)」、「肺炎や急性気管支炎などの呼吸器感染」、「気管支喘息」が挙げられます。肺炎や急性気管支炎は、冬になるとRSウイルス感染によるものが増加する傾向にあります。気管支喘息は、季節の変わり目である春と秋に多くみられます。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 56 10.39 9.88 0 32.80
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 処置2なし 55 15.75 20.79 14.55 30.51
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 49 9.43 9.77 0 31.47
120180xx99xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 手術なし 20 3.10 6.86 10.00 30.35
120140xxxxxxxx 流産 19 1.89 2.43 0 32.95
 産科で最も多い症例は、逆子や前回の分娩が帝王切開だった方に対する「予定帝王切開」です。
 2番目に多いのが「切迫早産」です。切迫早産とは、妊娠22週以降から37週未満の間に分娩が始まりかけている状態をいいます。
 3番目に多いのが、胎児機能不全などに対する「緊急帝王切開」であり、次いで「胎盤機能不全症や前期破水など」、「流産」となっています。
 平均年齢は症例によって大きな差はありません。また、必要に応じて高次医療機関に転院することもあります。

 当院では年間約500件の分娩を取り扱っており、小児科とともに安心・安全な周産期医療の提供に努めています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160760xx97xx0x 前腕の骨折 その他の手術 副傷病なし 17 4.59 5.49 0 44.18
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷 手術なし 副傷病なし 16 34.56 20.57 0 81.31
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 10 38.90 27.63 20.00 81.10
160800xx99xx0x 股関節大腿近位骨折 手術なし 副傷病なし - - 15.97 - -
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 処置2なし - - 20.45 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 整形外科では、前腕骨折で「その他の手術」を行う症例が最も多いです。「その他の手術」とは、骨折と皮膚の挫滅創があって傷口を縫った場合や、シーネ固定など非観血的な整復術を行った場合、術後の抜釘手術などが該当します。当院では、術後の抜釘症例と、登山者の応急処置の症例が多く、この2つのが同じDPCに該当するため最も多くなっています。
 2番目に多いのは、「胸椎・腰椎骨折」の保存加療になります。当院では、高齢者の転倒・転落によって受傷する症例が多いです。平均年齢は80歳を超えており、高齢者の骨折は回復がゆっくりなことから、在院日数が全国平均より長くなる傾向が見られます。
 次いで3番目に「大腿骨骨折の手術症例」、4番目は「大腿骨骨折の保存療法症例」となっています。大腿骨骨折では、手術療法を選択することの多い疾患ですが、患者さんの状態を考慮し、保存療法を選択する場合もあります。継続的なリハビリが必要とされた場合は、当院の回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、集中的リハビリを提供します。また、他の医療機関に転院し、治療を継続される症例が1~2割程います。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 18 12.89 12.43 0 83.17
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - 5.24 - -
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 処置2なし - - 5.50 - -
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 副傷病なし - - 7.52 - -
010290xxxxxxxx 自律神経系の障害 - - 5.58 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 救急科(総合診療科)では、救急車で搬送された患者さんや初診患者さんを最初に診察します。その後、より適切な治療が受けられるように各診療科へ振り分けますが、専門的な治療を要しない患者さんについては、内科系と外科系を中心に幅広い患者さんの入院加療を行っています。
 救急科(総合診療科)で多い症例は、「尿路感染症」、「めまい症」、「急性胃腸炎」、「頭部外傷」、「失神」などです。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術 処置2なし 副傷病なし 10 19.30 9.87 0 81.70
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 7.12 - -
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) - - 19.35 - -
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 7.52 - -
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 9.33 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 脳神経外科で最も多い症例は、「頭部外傷、その他の手術」症例になります。当院では、特に外傷性慢性硬膜下血腫での入院が多くなっています。
 外傷性慢性硬膜下血腫は、頭部打撲などを契機に発症し、頭蓋骨下で脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血腫(血が貯まる)病気です。血腫が大きくなると、頭痛・歩行障害・言語障害など様々な神経症状を引き起こします。治療は、点滴による薬物療法か、頭蓋骨に1.5cm程の穴を空けて、そこから血腫を洗い流す「穿頭血腫除去術」を行います。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 16 68.88 27.63 0 81.56
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷 手術なし 副傷病なし 14 41.07 20.57 0 84.36
160800xx99xx0x 股関節大腿近位骨折 手術なし 副傷病なし 12  67.50 15.97 0 90.25
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 処置2なし - - 20.45 - -
160820xx99xxxx 膝関節周辺骨折・脱臼 手術なし - - 21.33 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 リハビリテーション科は、入院患者が社会復帰するに当たり、継続的なリハビリが必要と判断された際に、専門的な治療を行う診療科です。当院では、主に整形外科・脳神経外科の症例に対して治療を行っています。疾患や患者の状態によりますが、整形外科症例では最大90日、脳神経外科症例では最大180日に渡って継続的なリハビリ治療を提供しています。
 1番目と3番目に多い疾患に、「大腿骨骨折の手術」症例と、「大腿骨骨折の保存療法」症例が入っています。転倒を契機に整形外科に入院し、手術など急性期治療を終えたら集中的リハビリ治療を行って、日常生活機能の回復を図ります。当院の平均在院日数は、全国平均と比較して長くなっています。これは、急性期治療に追加して、社会復帰に向けた「運動機能の回復」「日常生活機能の回復」の治療期間が含まれるためです。具体的には歩行訓練、炊事・洗濯など日常動作訓練、装具を用いた動作訓練等を行っています。
 2番目に多い「胸椎・腰椎骨折の保存加療」も、大腿骨骨折と似た経過で治療を行います。平均在院日数も同様の理由で長くなっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 25 - - 39 - - 1 7,6
大腸癌 18 - 15 21 - 14 1 7,6
乳癌 14 12 25 - - - 1 7,6
肺癌 - - - - - - 1 7,6
肝癌 - - - - - - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 当院では「消化器病センター」を設置し、消化器癌(胃癌・大腸癌)については内科と外科が連携して治療にあたっており、Ⅰ~Ⅳのそれぞれのステージに適した治療を行っています。胃癌については早期であるⅠ~Ⅱ期の患者さんが多く、内視鏡による治療を中心に行っています。大腸癌についてもⅠ~Ⅱ期の患者さんが多く、内視鏡による治療や負担の少ない小範囲の開腹手術を行っています。しかしながら、Ⅲ~Ⅳ期といった癌が進行してしまった患者さんの数も少なくはなく、手術や化学療法など、患者さんの状態に合わせた幅広い治療を行っています。
 乳癌についても早期であるⅠ~Ⅱ期の患者さんが多く、3D撮影が可能なデジタルマンモグラフィーを活用し、最新の設備のもと早期発見・早期治療に努めています。また、Ⅲ期以降であっても、手術やホルモン療法、化学療法など患者さんに最適な治療を行っています。
 肺癌や肝癌についても治療を行っていますが、件数が10件に満たないため掲載していません。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 9.20 55.30
中等症 53 16.64 78.81
重症 11 18.64 84.36
超重症 - - -
不明 - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 患者数については「中等症」が最も多く、次いで「重症」「軽症」の順になっています。
 平均在院日数については、重症度が高くなるとともに長くなる傾向が見られます。平均年齢についても同様の傾向が見られ、市中肺炎は年齢が高くなると重症化しやすいことがわかります。

 肺炎は、日本人の死因第三位であり、死亡者の95パーセント以上が65歳以上の方と言われています。このため65歳以上の方は、肺炎予防や症状の軽減が期待される「肺炎球菌ワクチン」を接種することができます。詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 15 3.87 82.73 0
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 24 42.79 78.79 3.13
その他 - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
※症例数が10件に満たない分類については、規定により数値を掲載しておりません。

 脳梗塞については、「脳神経外科」及び「リハビリテーション科」が連携して治療にあたっています。
 最も多い分類は「I63$(脳梗塞)」に分類される症例であり、このうち発症日から「3日以内」の「急性期脳梗塞」が集計対象全体の7割以上を占めています。急性期脳梗塞は、まず脳神経外科にて脳の血流を良くする薬や、脳を保護する薬を投与し治療を行います。後遺症が残らなければ退院となりますが、身体の麻痺に対する治療が必要な場合は、リハビリテーション科に転科して入院治療を継続します。
 次に多いのは、発症日から「3日以内」の「一過性脳虚血発作」です。一過性脳虚血発作とは、一時的に脳の血流が悪くなり、脳梗塞と同じ症状が現れる疾患です。症状は短時間で消失しますが、脳梗塞を起こす前兆でもあり、脳梗塞を予防するための治療が必要となります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 185 0.17 2.20 0 66.79 大腸ポリペクトミー
K654 内視鏡的消化管止血術 16 0.75 8.25 0 67.81
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 15 1.00 15.20 0 84.40
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 14 2.86 11.14 0 76.64
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 10 0 6.00 0 74.90
 内科では、大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡による手術、いわゆる「ポリペク(ポリペクトミー、ポリープ切除)」が最も多く、5番目の「内視鏡的胃、十二指腸ポリープ粘膜切除術」とあわせると、195件となります。治療日程は、入院日に手術を行う2泊3日のスケジュールが典型的です。
 2番目に多いのが「内視鏡的消化管止血術」です。これは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などからの出血を、内視鏡により止血する治療です。
 3番目に多いのが「内視鏡的胆道ステント留置術」です。これは、胆石や癌などの影響で狭くなった胆管にステントと呼ばれるチューブを留置し、胆汁の流れを良くする治療です。
 4番目に多い「内視鏡的乳頭切開術」は、胆管に詰まった石を引き出したり砕いたりするために、内視鏡で胆管の入口である乳頭を切り開く手術です。

当院では「消化器病センター」を設置し、内科医と外科医が連携して治療を行うことで、身体への負担が少ない内視鏡による治療を多く実施することができています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 19 0.84 2.95 0 68.79 鼡径ヘルニア全麻
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 15 1.53 8.67 0 64.33 乳房部分切除
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術)<亜全切除> 11 8.73 31.27 9.09 78.91 結腸切除術
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 10 2.80 4.20 0 56.70 腹腔鏡胆摘術
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)(胸筋切除を併施しない) - - - - - 乳房全摘術
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 外科で最も多い手術は、「鼠径ヘルニアの手術」になります。鼠径ヘルニアは一般的には「脱腸」とよばれ、本来お腹にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼠径部などの筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。入院当日に手術を行い、入院4日目に退院するといった症例が一番多くなっています。
 2番目に多いのは「乳腺悪性腫瘍手術」になります。腋窩部郭清を伴わない手術とは、乳房周囲のリンパ節まで切除しないという意味になります。また、乳癌の手術治療は、当院外科部門の「診断群分類別患者数等」で第3位に挙がっています。
 3番目の「結腸切除術」は大腸癌に対する手術です。内視鏡では取り切れない大きさの癌に対して行われます。外科の大腸癌治療で、最も多いのは開腹手術ですが、腹腔鏡手術も行っています。
 4番目の「腹腔鏡下胆嚢摘出術」は胆嚢炎や胆石症に対する手術です。繰り返す胆道系の疾患に対する根治のために行われます。経過の一例としては、消化器内科に入院後、炎症を抑える治療を行い一度退院。外科に再入院して手術、といった症例が挙げられます。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 62 1.42 8.48 0 31.50
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 57 2.08 8.02 0 32.40 帝王切開術
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 14 0.07 0.64 0 32.86
K9062 子宮頸管縫縮術(シロッカー法) - - - - -
K909-2 子宮内容除去術(不全流産) - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 産科で1番多い手術は、「帝王切開」です。帝王切開には「緊急帝王切開」と「予定帝王切開」があります。分娩前や分娩中にお母さんや赤ちゃんに何らかの異常が起きて、早急に赤ちゃんを取り出す必要があると判断された場合に行うのが、緊急帝王切開です。予定帝王切開は、逆子や前回の分娩が帝王切開だった方など、あらかじめ自然分娩が困難と判断された場合に計画的に行う帝王切開です。
 次に多いのは「流産手術」です。流産手術とは、胎児死亡後も出血などの自覚症状がない稽留流産や子宮内容物が一部残存している不全流産などに対して行われる子宮内容除去手術のことをいいます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0462 骨折観血的手術(前腕)<内固定を行なう> 等 17 2.41 16.41 0 49.29
K0461 骨折観血的手術(大腿)<内固定を行なう> 11 4.45 37.45 18.18 82.73 大腿骨折観血手術
K0483 骨内異物(挿入物)除去術(前腕)<挿入物> 等 10 0.70 2.80 0 43.20 下肢抜釘術
K0463 骨折観血的手術(指)<内固定を行なう[足指]> 等 - - - - -
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 整形外科で一番多い手術は「前腕骨折の観血的整復術」になります。転倒やスポーツ外傷、交通外傷などがきっかけで起こります。経過の一例としては、入院2日目に手術を行い、術後約1~2週間で退院となります。平均年齢は約50歳と比較的若年層に多い傾向が見られます。
 2番目に多いのは「大腿骨骨折の観血的整復術」になります。当院の大腿骨骨折の平均年齢は80歳を超えており、転倒などが原因で骨折し、治療となる症例が多いです。術後に継続的リハビリが必要な場合は、当院の回復期リハビリテーション病棟への転棟や、他の医療機関に転院し、リハビリ治療の継続を行っていきます。
 3番目の「骨内異物(挿入物)除去術(前腕)」は、骨折箇所に埋め込んだ金属を取り除く手術になります。埋め込んだ金属が体に影響を与えることがあるため行われます。全身麻酔下で手術を行い、おおよそ3日で退院となります。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K867 子宮頸部(腟部)切除術 14 0.93 1.00 0 39.36 子宮頚部円錐切除術
K877 子宮全摘術 - - - - - 婦人科開腹手術
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(開腹) - - - - -
K8721 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) - - - - -
K861 子宮内膜掻爬術 - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 婦人科で1番多い手術は、「子宮頸部(膣部)切除術」です。 子宮頸部(膣部)切除術とは、LEEPという電気メスを使った円錐切除術のことをいいます。主な疾患は子宮頸部高度異形成です。手術は脊椎麻酔で行われ、入院期間は基本的に2泊3日となっています。
 平成28年度は腹腔鏡による手術を行っていませんでしたが、今年度は産婦人科内視鏡学会技術認定医が着任し、腹腔鏡による手術を再開しています。腹腔鏡による手術は、術後の痛みが少ない・手術の傷が目立たない・早期の社会復帰が可能・術後の癒着が少ないなどのメリットがあり、患者さんの身体的な負担を軽減することが大きな目的の手術です。
リハビリテーション科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿)<内固定を行なう> 11 4.73 61.18 0 81.27
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -
K0463 骨折観血的手術(膝蓋骨)<内固定を行なう> - - - - -
K133 黄色靱帯骨化症手術 - - - - -
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 リハビリテーション科は、整形外科からの転科が7割を占めているため、手術も整形外科領域の治療が上位に来ています。最も多い手術は「大腿骨骨折の観血的手術」です。急性期での治療後、集中的なリハビリ治療を提供し、日常生活機能の回復を図って行きます。平均年齢が80歳を超えており、高齢の患者さんが多いことがわかります。術後在院日数が長いのは、急性期治療に追加して、社会復帰に向けた「運動機能の回復」「日常生活機能の回復」の治療期間が含まれるためです。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 25 0.85
異なる - -
※症例数が10件に満たない分類については、規定により数値を掲載しておりません。

 当院で「手術・処置の合併症」に該当する症例は、定期的に透析治療を受けられている方の合併症(シャント閉塞など)、ポリペクなど内視鏡による手術や検査の合併症(後出血など)、外科手術後の合併症(術後感染症など)、カテーテル留置が原因による尿路感染症などです。これらは事前に予期されているものであり、数日で軽快・治癒しています。
 手術や処置などは合併症を起こさないよう細心の注意を払って実施していますが、どうしても一定の確率で起こってしまいます。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、手術や処置の実施に同意をいただけるよう努めています。
更新履歴
2017/9/29
病院指標を公開しました。