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3月9日付「医療事故発生のお詫び」の訂正

202306.23

事務部

3月9日付「医療事故発生のお詫び」の訂正

 松本市立病院では、2023年3月9日付「医療事故発生のお詫び」文で報告しました医療事故について再検証を行いました。その結果、事故原因に関する事実の捉え方に明らかな誤りのあることが判明いたしましたので、ここに改めて訂正し報告いたします。

1. 3月9日に行われた記者会見及び当院ホームページ掲載では、医療事故発生に至った原因の第一を「病理解剖室入室時に主治医による患者確認が行われなかったこと。執刀時に主治医、執刀医及び臨床検査技師による患者確認が行われなかったこと。」と公表し、主治医、執刀医及び臨床検査技師の責任による事故であると報道されました。

 しかしながら、再検証の結果、下記の理由により、執刀医及び臨床検査技師には、医療事故の原因となる業務上の怠りはなかったと判断しました。

(1) 執刀医と臨床検査技師は、解剖患者が安置される従来の遺体安置所から主治医により解剖患者の遺体を申し受けたこと。

(2) 執刀開始時には、主治医立ち合いのもと、顔面を含め全身の体表観察を行った上で執刀を開始したこと。

(3) 執刀医と臨床検査技師は、解剖患者との面識がなく、また、患者には個人識別標識はなかったことから、解剖患者を取り違えていると判断するすべがなかったこと。

2. 執刀医と臨床検査技師は、院内の従前の病理解剖マニュアルの手順に沿って解剖業務を行ったことから、本件の解剖患者の取り違え事故は、以下に述べる病院の安全管理体制にあったとの結論に至りました。

(1) 従来、解剖患者の遺体安置所と外来患者の遺体安置所は区分されていたところ、病院として発熱患者の治療に対応するためこれを共用することとしたが、この変更について、主治医及び病理解剖担当者らは知らされておらず、全くこれを認識していなかっただけでなく、院内に十分周知されていなかったことから、従前の解剖患者の遺体安置所にあった1体の遺体が解剖患者と判断されたこと。

(2) 病理解剖の遺体に個人認証のための標識がなく、かつ、職員間で遺体に関しての情報共有・情報伝達が十分行われなかったこと。

(3) 主治医において、通例では解剖準備が整った時点で病棟看護師に遺体の搬送を指示することになっていたが、これを怠り、すでに従前の解剖患者の遺体安置所に安置されていた遺体を病理解剖予定の担当患者と思い込み、十分な確認をしないまま解剖室に入室させて執刀医と臨床検査技師に引き継いだこと。

 こうした病院における安全管理体制の不備により、職員間での情報伝達と遺体確認が不十分となり、本件遺体取り違え事故に至ったと考えられます。

 従って、主治医の責任については問われるとしても、執刀医及び臨床検査技師には解剖患者の取り違えについて責任はないものと判断しました。

 3月9日付「医療事故発生のお詫び」に基づく報道により、執刀医及び臨床検査技師の方々のみならず、病理解剖に対する一般社会からの不信感を生ぜしめたことに対し深謝いたします。

 以上、当院のホームページの記載を、別添のとおり「医療事故発生のお詫び」(第2報:訂正文)として掲載します。

令和5年6月23日

松本市立病院          
病院事業管理者 北野喜良
院長 中村雅彦
医療安全管理室長 佐藤吉彦

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